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2007年3月 7日 (水)

HTML における引用とは その 3

その 2 の続き。

究極的には、この話は HTML の仕様書にある quoted text の意味をどう解釈するかという問題であり、仕様書に厳密な定義が述べられていない以上は絶対的な正解は存在しない。従って以下には、HTML のよりよい利用の仕方という観点から、引用の範疇をどう定義・解釈するのが望ましいかについて自説を述べる。

その 2 で挙げた例は、他人の発言を引き写してはいないが、しかし地の文と文中の文を区別するために引用符が使われる例だった。便宜のためここに再掲する。

私は<q>こういうのは苦手なんだよなぁ</q>とわざと太郎に聞こえるようにつぶやいたが、彼は<q>僕が代わりにやってあげるよ</q>とは言ってくれなかった。

ここで、僕が代わりにやってあげるよというのは太郎が実際に発言したものではないので、引用とは認めない、という解釈は可能である。しかし、実際に発言したかどうかによって引用であるかどうかを決めるならば、マークアップに変換できない引用符が残ってしまう。

引用符は引用のほかにも、語句を強調したり書物の題名を囲んだりするために使われる。それぞれ HTML では em, cite 要素でマークアップされるものだ。しかし上記の解釈では実際の発言ではない文は q 要素としてマークアップされずに引用符としてそのまま残る。一部の引用符は q タグや em タグに置き換えてマークアップするのに、一方でそのままの引用符があるというのでは一貫性がない。

そもそも、マークアップによって文章の形式的構造を表すという原理に照らし合わせれば、まず第一に行われるべきは引用符の意味が強調なのか書物の題名なのかそれとも文中の文なのかということの区別であって、発言が実際のものであるかどうかという区別は文中の文がまず地の文と区別された上で文脈上判断されるものだ。ならば、まず地の文と文中の文との区別を要素としてマークアップした上で、必要ならば発言が実際のものであるかどうかを属性として明示するというのが筋だろう。

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